演劇講座 第12回「劇団マネージャーの仕事

 いや〜、嬉しいですね〜、久々にこのコーナーにリクエストがきました。「劇団マネージャーって何するの?」いや〜、困りました。なんせ劇団マネージャーなんてやった事は無いわけですから。  と言うわけで、もしウチの劇団に劇団マネージャーがいたら何して欲しいかって事を無責任に書いちゃいましょう。質問された方、知りたい事と全然違った答えになってても大目に見てくださいね。

 劇団を運営してると、団体であるだけで稽古場代だったり倉庫代だったりと何かとお金がかかります。その上劇団なんで公演を打ったりすると、照明、音響、ホールその他なんやかんやとお金がかかってきます。海賊船を筆頭にほとんどの劇団の場合赤字運営をしてるでしょうから、そのお金は劇団員が支払う事になります。この劇団費を徴収ししかるべき所へ支払っていくという作業がけっこう大変です。  特に公演体制に入ってからは役者をはじめ音響、大道具などそれぞれのパートの作業がとんでもなく忙しくなり、劇団費徴収〜支払いなんてどっかへとんでいってしまいます。(実際海賊船の場合公演直前に倉庫代金未納のため、倉庫を追い出されそうになりました(~_~;)

まず第一にマネージャーに期待するのは、劇団維持のためのお金の管理です。

 次に劇団員は役者であっても本番に直接関係したスタッフを兼ねてたりします。例えば大道具であったり衣装であったり、と言うわけで、直接的に関係の無い仕事をする人手が足りなくなりますから、大道具担当者が稽古場の予約を取ったり、衣装担当者がチラシ印刷の予定を確認すると言うことになってきます。  しかし、役者として稽古を重ねつつ期日までに大道具を完成させねばとあせる中、直接芝居に投影されない作業を忘れ勝ちになり「しまったっ。来月稽古場が押さえていない!」「チラシが間に合わない!」と言った事もまま起こり得る事です。  そこで直接的な舞台スタッフではない制作専任担当者という役割が必要になってきます。

第二には舞台に直接関係しない、雑多な仕事、と言う事です。 これには何があるかと言う事を書き出すととんでもなく多方向になってしまいますからあくまでも参考までに…

  • ※稽古場の予約と、稽古出席メンバーの出欠状況の確認。(これはどの場面の稽古ができるのか、また場面に関係の無い役者が休みを取ったり、スタッフの作業をしたりと何かと重要な作業になります。また一歩進んで、どの場面の稽古をいつやるのか、いつ通し稽古ができるのか、照明や音響など外部スタッフにいつ見せられるのかと言う積極的に稽古の段取りを組むと言う作業になれば言う事はありません)
  • ※チラシやチケット、情宣用の作業や取材のスケジュールなどの段取りと確認。
  • ※外部スタッフ、ホールなどの打ち合わせや下見などの日程調整、及び直接の打ち合わせ。
  • ※劇団、公演への問い合わせの応答。
  • ※公演当日の食事、折込、受付の段取り。
  • ※要するに、作、演出、役者、舞台監督、大道具、小道具、照明、音響、衣装以外の仕事。

いやいや、大変な仕事量です。さらに、ここまで甘えられれば文句無しと言う第三番目。

  • ※劇団知名度向上のための積極的な働きかけ。(テレビや雑誌などのマスメディアへのアピールなど)
  • ※動員数アップのための戦略。(マスコミ対応の他、チラシ折込、DM、口コミ、ITなど)
  • ※スポンサー獲得。
  • ※劇団作品に対して第三者的な目線での批評と次回作への構想。(こんな芝居やったらいいんじゃない?とか、最近芝居の方向性がずれてない?などなど)
  • ※公演スケジュールや公演体制などの戦略。
  • ※買取公演や役者の営業。

 と言うわけで、私は制作担当者をやった事も無ければ、ウチの劇団に劇団マネージャーなど存在した事も無いので、こんなコトしてもらえるとスゴクウレシイ、といったことを書いてみました。参考になりましたでしょうか。海賊船もこんなコトしてくれるスタッフ大募集中です。

 最後に名古屋地区で制作、プロデュースを一生懸命にやろうと言うオオハシアツシ君のホームページを紹介しておきます。

東海シアタープロジェクト

 重ね重ね、海賊船では制作担当スタッフ大募集中です。

(2002年12月20日)

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