舞台用語辞典「」行

アゲ
アブラアゲの略。
普通は直角三角形の平台を指すが、三角形の物ならセットだろうが小道具だろうがこう呼ばれる事がある。
略さずに「アブラアゲ持ってきて」と使う事もあるが、昼食が稲荷寿司だったり、豆腐屋の芝居だったりするとちょっと紛らわしい。
揚幕(あげまく)
花道や仮花道の突き当たりにある幕。
歌舞伎などでこの幕がさっと開くとそのあと盛り上がる場面が始まる事が多い。
揚幕を開けるタイミングはかなり難しいらしく、ベテランのスタッフが担当する事が多い。
小劇場演劇では役者自らが開ける事が多い。
アゴアシ
アゴが食事代、アシが交通費。
「今度の仕事はアゴアシ付き」と言うと、本来のギャラ+メシ代、交通費が出るありがたい仕事。
しかも「へっへっへ、おアシの方はこちらに、ではひとつよろしく」などと丁寧語になると、途端に交通費以上の金額を意味するようになる。
浅葱幕(あさぎまく)
浅葱色の幕。浅黄幕と書いたりするが大間違い。
浅葱色と言うのは水色のことで(文字から判断すると薄いネギ色)空の背景などに使う。
今時知っている人の方が少ない。新撰組の浅葱のダンダラという色。知ってると自慢できるぞ。
暗転(あんてん)
場面と場面のつなぎ目などを、照明を一切消して真っ暗にする事。
効果としては、努力しないで時間経過が現せる、足のしびれたお客さんが足を組替えられる、死んだはずの役者が舞台からはけられる、つまらない芝居はこっそりと抜け出せるなどなかなか有用。
最近消防法の改正により完全暗転の利く劇場も多くなった。
色物(いろもの)(類:飛び道具)
曲芸、漫才、奇術などの事。
落語の寄席などで、落語家の看板は黒の墨で書かれるが、曲芸、漫才、奇術などは朱色の文字で名前を書く事や本来の出し物に色取りを添える事からこの名前がついたらしい。
転じて本来の演技ではなく小ネタや、おかしな動作、性格などを中心に見せる役者の事。
海賊船は断じて色物集団ではないが、それはそれで面白い。
イントレ
舞台で使う金属性組み立て式足場。
照明機材などをつったり骨組として使ったり。海賊船Uやコンサートなどのセットでお馴染み。
元々建築用足場(ビデ)の事だが工事現場などでは(イントレ)と言っても通用しない。
映画『イントレランス』の撮影で大々的に使われ、以後舞台用語に。
江戸っ子(えどっこ)
長さが1尺(30センチ)未満の小さいくぎ抜き。
小さいくせに役に立つから江戸っ子だそうだが江戸っ子が小さかったか、役に立ったかなど史実に関しての裏づけはとっていない。また中部地方以外でもこう呼ぶかは不明。
大向こう(おおむこう) 大向こうさん
歌舞伎、大衆演劇などで「待ってました」「××屋」などと声をかける人。
芝居を盛り上げるために主催者側で仕込む事もよく行われるが、本来は観客の掛け声。タイミングが非常に難しい。
海賊船Uの芝居は大向こうさん大歓迎ですので本番までに練習してどんどん声をかけてください。
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