舞台用語辞典「」行

場当たり稽古(場当たり)
本番の会場にセットを組み、立ち位置や、照明合わせ、キッカケの確認、登退場の位置、転換など通し稽古がスムーズに進むよう行う稽古。
あくまでも中身の稽古の時間ではなくスタッフ間の段取りと言う意味合いが強いが、ここで演技のダメ出しをしてスムーズな進行を遅らせる演出家も多い。
大きな声では言えないがダンス系演出家に多いようだ。
ハウリング
マイクとスピーカーを近づけると、ウォーン、とかキーンといった音が出る事、ハウると言ったりする。遠吠え(ハウリング)に似た音が出る事からこう言われる。
今は一般的に使われるようになったが、その昔演劇関係専門の音響さんが「マイクがハムる」と言っていたので、それは「ハウるですよ」と教えてあげたら「そうとも言う」と言われた。この人は今でも「ハムる」と言っているんだろうか。
バカ棒(ばかぼう)
よく使う長さ(例:鴨居までの高さや廊下の幅)などの長さに調整してある棒。
いちいち長さを測らなくても、この棒をあてがうだけできちっと長さが調整できる。
その単一用途にしか使えないので、バカ棒。バカ棒のバカが放送禁止用語か差別用語にあたるかどうかは不明。
差別用語の場合は、知能の不自由な棒と呼ぶ(のだろうか?)
花道(はなみち)
舞台下手より4分の1くらいの所から客席後方へ伸びた通路。
ここの舞台より7分の3あたりで見栄を切るとかっこいいとされている。
なお舞台両サイドに作りつけてある小舞台は仮花道と呼ばれ花道より格下扱いされるが歌舞伎や商業演劇以外は仮花道のほうが使いやすい。
ばみる(動詞)⇒ばみり、ばみっと(名詞)
立ち位置や、道具を置いた位置が分かるように印を付けること。場を見るの略とされている。
また“ばびる”とも呼ばれる。
よく仕込時に「この道具のばびるの塔どこ行った?」とか「ここ東京ばみっと(サミット)しといて」などのギャグでつかわれるがこれを笑うと逆に素人扱いされるので注意が必要。
ハンガー
照明機材を、バトンなどに吊るす時に使われるかぎ型をしたもの。
昔アルバイトの学生が照明さんに「ハンガー持って来い」と言われ楽屋からエモンカケ(ハンガー)を持ってきたのを本当に見たことがある。
反響板(はんきょうばん)
色んな所に反響板はあるが、舞台にあるのは、クラッシックコンサートで使う事が多い。
正反、天反、側反などがあるが、特に正反は、造り付けで反響板を組まなくても触れる事も多い。
ただの壁だと思って大道具など立てかけると会館さんにスマキにされ名古屋港に放り込まれるので、舞台上にあるきれいな壁には触らないようにする。
ピアノ(ピアノフォルテ)
説明するまでも無い鍵盤楽器。
発明当初びっくりするくらい大きな音がすると言うのでピアノフォルテと言う名前がついた。
たいていの劇場においてあり、演劇では使う事が少ないため、小道具置き場になったりするが、実は何百万円から何千万円と言うフェラーリなみの値段。
くれぐれも慎重に取り扱わないと、大赤字の公演になるため要注意。
白緑(びゃくろく)
高さが7寸(21センチ)で、長さが3尺から6尺の長方形の台。箱馬より高さや幅が小さく長さが長い。
本来二重に上がるための階段部分用セット。びゃくと略して使う事もある。
大きさにはこだわらず箱馬で作った物も白緑と呼んだり、箱馬そのものをこう呼ぶこともある。
(もしかして箱馬をこう呼ぶのは間違いかもしれない、心配なので自分からはそう呼ばないようにして、人に言われたらああ、箱馬の事だなと理解してあげよう)
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